鏑射寺

所在地

兵庫県神戸市北区道場町生野

御朱印

家田荘子コラム

寺院紹介

第11番 鏑射寺

 

獨鈷山(とっこさん)鏑射寺(かぶらいじ)

 

ご朱印

百千代に かけて高鳴る かぶら矢を 民安かれと はなつおん寺

家田荘子コラム 十一番 鏑射寺

山の中にお城のような石垣と、大きな建物が見えてきます。真言宗単立の仏教寺院で、甘楽寺(かぐらじ)と呼ばれる鏑射寺です。山門から右へアスファルトの急な坂を行けば、長い階段の先に弁財天様が。さらに行けば、新しい不動堂もありますが、まずは、左の竹やぶの方へ足を向け、本堂からご挨拶にまいりましょう。  のぼりが左に見えて来て、まもなく本堂への階段です。11段ほど登ると、正面に美しい大きな本堂が現われます。右が納経所(8時~16時)、左は「大賀ハス」です。こちらの大賀ハスは、昭和26年、植物学者の大賀一郎博士が、千葉県にある検見川草灰地の縄文遺跡発掘現場から、2000年前の世界最古のハスの種子を発見したものです。そのハスを株分けされた「大賀ハス」です。  大賀ハスにちなんでか、本堂前の線香など物入れもハスの形です。  実はこの建物、「本堂」と、どこにも書いてありませんが本堂で、大日如来様が鎮座されていらっしゃいます。  本堂でご挨拶をし、そこから右手にある21段の石段を登り、不動堂に行くのですが、ちょっとお待ち下さい。不動堂には、蝋燭立てがありません。本堂で蝋燭を灯し、線香も香炉に立てておいた方がよさそうです。 不動堂の後ろには、昭和47年建立、総檜造りの赤い三重塔がそびえ立っていて、神戸13仏霊場の虚空蔵菩薩様がいらっしゃいます。  不動堂にも、不動堂とは書いてありませんが、その代わり「独鈷山」と、お堂の柱には掲げられています。それから「近畿36不動11番」、「摂津西国4番」という看板があります。  4段の木の階段を登る前に土足禁止です。靴を脱いで下さい。扉が半分開くので中を拝見することができます。 不動堂の中心は、座像の青不動明王様で、足を片方、もう片方の足にかけた半跏スタイルで、金色の目をされ、それはそれは逞しいお姿です。東京の浅草寺(せんそうじ)の仁王様を作られた村岡久作仏師の作なので、逞しいはずです。向かって右の八大龍王神様ですが、半端じゃないパワーを感じます。左には毘沙門天様。相乗効果で、なんとも有難い、三仏様の強靱なパワーをいただけます。 もみじの庭と美しい石を楽しみながら、不動堂から下りて行きますと、弁財天様の長い階段が左に見えて来て、さらに下りますと、山門に戻ります。 鏑射寺の中村公隆阿闍(あじゃ)梨(り)は、沢山の本を出版されています。中村ご住職が、この鏑射寺に入山された時、「荒れ放題、ジャングルそのものの山でした」と、驚かれたそうです。廻りの人からは、「ここは、どんなになるのですか?」と聞かれる度、「毎日毎日、曳き船に砂利をいっぱい積んで、太平洋に撒いているようなものです」と答えられたそうです。その後、大変なご努力を重ねられ、「白波が、ざわざわと立ち出して、少しずつ土が盛り上がり、島が見え、その島が次第に大きくなって、やがてお堂が建った」そうです。こつこつと大変なご尽力で基礎を固めて行かれたのです。 私が近畿36不動尊霊場巡りを始めて、15年以上になるでしょうか。何巡も巡られせていただいておりますが、そういえば、鏑射寺さんにお参りに伺う度、お寺がきれいになっていて、毎回、(あ、○○ができた)(あ、○○が増えた)と感激をしていました。お城のような石垣ですが、造園会社に穴太衆(あのう)積みの勉強をしてもらい、作られたそうです。中村公隆阿闍梨は、沢山の本を上梓されています。

近畿三十六不動尊霊場会先達・作家家田荘子

 

寺院紹介

名称
獨鈷山(とっこさん)鏑射寺(かぶらいじ)公式サイト
通称
かぐら寺(甘楽寺)。
不動尊について
木造半跏座像。公開。
縁起
581年、聖徳太子が創建。鏑射寺のある「道場(どうじょう)町」は、聖徳太子の母親の里である。聖徳太子が摂政になられる時、「六百町歩」という場所を仏教弘通の道場としたことから「道場町」となった。鏑射寺は、その中心にあり、豊臣秀吉は3、4度参拝したといわれている。 明治6年、三田九鬼藩の藩士に放火され廃寺になる。中村公隆阿闍梨の復興は、昭和34年から始まった。
所在地
神戸市北区道場町(どうじょうちょう)生野(いくの)1078-1
郵便番号
651-15
電話番号
078-986-4095
宗派
真言宗
開山
聖徳太子
創建
敏達天皇の10年(581)
詠歌
百千代に かけて高鳴る かぶら矢を 民安かれと はなつおん寺
行事
1月1日
修正会
1月28日~2月3日
節分会
3月22日
彼岸大祭
8月15日
千燈会
9月22日
彼岸大祭
11月22日
愛染祭
毎月22日午前11時
例祭
特色
本尊不動明王の半跏坐像は、東京の浅草寺の仁王様を製作された名仏師、村岡久作氏の作になるもので、昭和の名作と言われている。昭和47年建立の総桧造りの三重塔があり、磐境(鏑射山頂)と共に有名である。
交通(地図はこちらをクリック)
徒歩
JR宝塚線道場駅下車右へ。「武庫台ゴルフクラブ」と看板があるので、それを目標に進む。前方に橋が見えるが、橋を渡らず、駐在所を見て右へ。最初の急坂を登る。ほぼ坂が続くが、途中、平らな道もある。道場駅から1.8キロあり、歩いた場合は、30分くらいかかる。坂道なので、帰りはもう少々早い。道場駅にタクシーはいないが、三田駅からタクシーに乗ることができる。15分くらいで、料金は2000円余。
国道176号線道場東信号を北へ5km。武庫川の橋を渡ってすぐ左折。(武庫ノ台ゴルフコースを目標に手前100M参道あり)
団体バス
車に同じ。参道入口で駐車可。
休憩宿泊等
なし。
拝観
無料。
附近の名所旧跡
鏑射城跡、有馬温泉、千苅水源地、鎌倉峡百丈岩。花山院。フルーツフラワーパーク。
山主
住職「中村(なかむら)公隆(こうりゅう)〈弘淳〉」
特産
ウド、松茸。
鏑射寺ホームページ
http://www.kaburaiji.or.jp
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